常軌を逸する。 5

「おいおい空じゃねぇかよ飲めよサル」
「サルじゃねぇっつってんだろってオイガンガン入れるなよムキャアァァァ!」
「おーおーサルが本性現した。お、馬鹿もグラス空いてんじゃねぇか」
「!」
「まぁそういじめてやるな」
「ムサシャン一人で日本酒…」
「ん、ビールよりこっちの方が好きなんでな」
「渋いねー」
「よく飲めるねー僕なんかお酒よりお菓子の方がおいしいと思っちゃうよー」
「ふご!」
「あっぱれな味覚してやがんなこのWデブ」
「カッカッカ!根っからの甘党か!そういやヒル魔とマネージャーは?」
「う…彩菜ちゃん寝かしつけてくるって二人で部屋に…おえぇぇぇ」
「ちょっとセナ大丈夫!?もうしっかりしてよー!」
「二人で部屋、か」
「だな」
「アレ付いてたよな」
「な、モンジ」
「アレってなんだよ」
「「露天風呂」」
「…!」
「アハーハー!そういえばマドモアゼルまもりここのお風呂楽しみにしてたねぇ。今頃ムッシューヒル魔と入ってるんじゃないかな!」
「おい馬鹿兄貴!」
「…今時の言い方で言うとこういう奴はなんて言うんだ?」
「うぷ…えと…KY…?」
「うわっおいビールのラッパ飲みはやめとけよ!」
「うるせぇ!サルに止められる筋合いはねぇ!」
「サルじゃねぇよウキャアァァァ!」
「サルだ」
「サルがいるぞ」
「おい誰か獣医呼べ」
「うわぁぁやめなよみんなー!」


* * *


「まぁ飲め。俺らが話聞いてやるから、な?モンジ」
「おーよ、こーいう時ぐれぇしか言えねぇだろ?おらおら」
「…」
「やー…すっかり出来上がってるねー三兄弟。はいセナ、お水」
「う…ありがと…」
「なんでアイツとマネージャーができてんだ…」
「お」
「モンジがしゃべった」
「あんな外道の一体どこに惚れたんだ!?な!セナ!」
「いや同意を求められても…うぷっ」
「大丈夫かよセナーおら洗面器」
「俺にはまるでわからねぇ!」
「まぁ男だからな」
「女の気持ちはわからんな。お、モンジもっと飲め飲め」
「完全に面白がってるな、あの二人」
「だって酔っ払ってなきゃ聞けそうにないもんねー」
「お、一気に飲み干しますかぁ」
「相当溜まっておられますねぇ」
「…何が?」
「…両方」
「やー…二人とも下品ー…」
「鈴音だって分かってんじゃねぇ…ぶっ!」
「口は災いの元」
「どーなんですかモンジさーん今のお気持ちはー」
「ちょうど悪魔もいねぇしよー言っちゃったらどうですかー」
「なんか二人ともおじさん臭いねぇ」
「…あ」
「あ?」
「あ、なんだ?」
「あねざき」
「お、言うか?」
「言うな」

「姉崎!愛して

ガラッ!ピシャーン!

割れる勢いで、襖が開いた。

「「「あ」」」
「動くなよ糞長男テメェの糞脳天吹き飛ばしてやる!」
「おぉやれるモンならやってみやがれ!」
「やるな」
「殺るだろアイツなら」
「キャー!妖兄頭濡れたまんまで来た!」
「必死だな」
「眼、怖い…」
「ゴチャゴチャうるせぇぞテメェら!テメェらも死にてぇのか!?」
「ひいぃぃぃぃぃ…」
「ちょっと妖一ー?頭濡れたままどこいっちゃったの…ってちょっと!何してるのよ!こんなところでそんな物振り回さないでよ!」
「ウルセェ害虫駆除だ害虫駆除!テメェに感謝はされても文句言われる筋合いはねぇ!」
「何よそれ意味わかんない!ごめんね十文字君!」
「や、マネージャーは悪くねぇから…」
「…塵も遺さず消してやる!」
「物騒な事言わないで!」



「…俺らは別の部屋で飲み直すか」
「そうだねー」
「やー!あたしもう少しここにいるー!」
「やめとけ、死ぬぞ」




【蛭魔夫妻(彩菜含む)でデビルバッツ同窓会旅行】 桜様に捧げます